死ぬまでに走りたい日本全国サイクリングコース50 ~北海道 旭川=美瑛=富良野~

2015年07月17日

当店でサイクルキャリアと輪行袋を導入した事で自転車関連グッズが無くても日本全国サイクリングが可能となりました。リゾート地や東京ではレンタサイクル借りられる場所もありますが色々制約があるのが現実です。この際当店でレンタサイクルをご利用いただきご自宅から自転車を持って日本全国を巡ってみてはいかがでしょうか!
と言うわけで日本全国憧れのサイクリングコースを紹介していこうと思います。

~北海道 旭川=美瑛=富良野~
こちらは以前輪行した事があるので体験日記です。
そもそもなぜここをサイクリングしたのかと言うと動画で美瑛の風景を視てしまったのがきっかけです。「えっ、ここは日本?サイクリングできたら最高だな。」すっかり美瑛のとりこになってしまい、美瑛の写真やサイクリングの日記などネット上で検索しまくりました。頭の片隅には美瑛の風景が残っていながらなかなか行く機会が訪れないまま数年が経ってきました。ある年の9月第一週目に夏季休暇を利用して単身北海道を訪れる事になりました。もちろんバイクを輪行してです。行く事が決まり準備段階ですでにウキウキ状態です。そもそも動画のあの風景は美瑛のどこなんだろう。動画のコメントから謎を解くように検索エンジンやグーグルマップを駆使してやっと探し当てました。美瑛の中心から結構離れてていてしかも途中からは永遠の上りという事で二泊三日の二日目を利用して行く事にしました。そうなると一日目は旭川空港から美瑛に向かい色々なメディアに登場した有名な場所(ケンとメリーの木、セブンスターの木、マイルドセブンの丘等)を巡る事にして、最終日は旭川空港へ向かう途中観光地とは離れた山道を通って空港へ向かうというプランにしました。
旭川へは東京から飛行機で輪行袋を使用して旭川空港へ行くのが一般的です。東京を飛び立ち1時間半程度で旭川空港へ到着します。飛行機の窓から眺める旭川は期待からか何となく本州とは違う風景に感じます。早く走りたくてうずうずしている間もなく旭川空港へ無事着陸しました。

自転車を組み立てて旭川空港を出発し、国道237号線を旭川市街とは真逆に美瑛、富良野方面へ向かいます。「あれ?ほんとに北海道?」景色が本州の山道と何らかわりません。拍子抜けしつつ暫く走っていると美瑛町に入って暫くすると見えてきましたイメージにある富良野の風景。視界が開けた先の丘に一面に色とりどりの花!圧巻です。

そこからは遊び場所を与えられた子供のように上り坂も気にせずあっちこっち走り回りました。

お腹がすいたらトウモロコシ疲れた身体のせいか取り立ての北海道産のせいかものすごく甘く感じます。

一通り有名な場所を巡った後はさらに奥へ進みます。自転車なら地元の方しか通らないような道にも入っていける分迷惑にならないよう気を付けます。しかし、その分普段では味わえないような感動が待っています。「こんな雄大な景色、観光バスが入れるような道だったら観光客であふれちゃうな」なんて思いながら来てよかったと改めて思うのでした。

無心に走っているうちに富良野にあるホップスホテルのチェックインの時間が迫っています。後ろ髪を引かれつつも明日はまた戻ってくるのでホテルへ向かいました。ひとりでリゾートっぽいホテルに泊まるのもどうかと思いましたが泊まってよかったホップスホテル。広いツインの部屋に1名で泊まり2食付しか夕食は地元のふらの牛コースで1万円程度。




東京から移動からのサイクリング後にこのような部屋に泊まれたのは身体と心にとてもリラックスできてよかったと思います。まぁ、ホテルの広いレストランに従業員と私の二人だけの空間には少し戸惑いましたが(笑)
二日目、昨夜は気が付かなかったのですが朝起きてレストランへ向かうと入口にサイクリング雑誌が置いてあります。やはりサイクリングで訪れる人が多いのだなと納得してチェックアウト後、いよいよ今回の旅の最大の目的地へ向かいます。余談ですが、フロントで接客をしてくださった従業員の方の心遣いが一人旅の自分にはとても嬉しかったです。連れの旅行だとなかなかお話する機会もありませんが一人旅だと普通にできてしまいます。これも一人旅ならではの楽しみかもしれません。美瑛へ向かう途中にも目を奪われる景色が多数現れます。昨日と同じ道を引き返しているのに時間帯によっても目に映る景色が変わってくるものなのでしょうか。

美瑛駅を拠点として目的地へ向かいます。ここから片道20km、後半は長い上りです。目的地へ向かう一本道、普通ののどかな田園風景なのですがひとつ普通と違う事が・・・10kmほど真っ直ぐな一本道が続くのです。本州ではなかなかないんだろうなと思いながらずーっとペダリングをしていました。いよいよ森林地帯に入り上り基調へ変わってきました。空気がひんやりして気持ち良く思ったより勾配もなく順調に進んでいきます。森林は針葉樹が多く幹も白いので北米や北欧っぽい雰囲気がプンプン匂います。木々の間からは遠くに山が見え癒されます。車も殆ど通らないので安全で快適なサイクリングが楽しめます。脚に心地よい疲れが溜まってきたとき目的地のかんばんが見えました。ここを左折すると動画の風景が広がっているはずです。数年間訪れたいと思っていた場所。自分の目で見るのが勿体ないようなこわいような何かが終わってしまうような色々な感情がこみ上げつつ進みます。何度も何度もgooglemapで行き方を確かめた動画の風景が目の前に見えてきました「ん!?間違えた?普通の道じゃん。」道の脇へ自転車を停車して地図で確かめますが全くの正解、この道こそ目的地です。この時は非常にがっかりしました。訪れた時期が早すぎたのです。あとひと月もすれば山に雪が掛かり紅葉も始まって動画のような風景が目の前に広がってたのかもしれません。なにせ訪れたのは夏季休暇中でしたから(笑)また時期を合わせて来たいと思ったのでよしとします。

気を取り直して白金温泉へ向かいます。夏休みも終わっているのでひっそりと静まりかえっていますが営業はしているようです。地元の野菜を使ったカレーランチと温泉入浴のセットを購入します。レストランへ行くと観光客は誰もいません。この旅恒例となった本物の一人飯です。一人でいると色々な人に声を掛けられます「どこから来たのですか?」そりゃ、声も掛けるでしょう。だだっ広い場所に一人で寂しそうだもん(笑)もちろん温泉もおひとり様で堪能させて頂きました。疲れた身体には最高です。

そして帰りは「青い池」へ寄り人並みに感動してずーっと続く下り坂です。気持ちいいを通り越した途端寒さが襲ってきました。慌ててヤッケを着込みましたが一度冷えた身体は中々もとには戻りません。温泉やばかったかな。長い下りの際は寒くなる前に保温対策をしましょう。ちなみに今では世界的にも有名な「青い池」、実はただの水溜りだそうです(笑)

美瑛の街中に戻りまだ日も高かったので自転車で走り回り美瑛駅前のホテルへチェックイン。お風呂に入って一休み後、フロントで近所の美味しいお店を教えてもらって行ってみたものの定休日。仕方なくと言ってはなんですが普通の焼き鳥屋さんへ入りましたがこれが大正解。お店が少ないうえに人気店が休み(笑)のせいか狭い店内に大勢の人でにぎわっていました。いままで広いレストランに独りで食事を食べ続けていた俺はなんだったんだろうと思いながら見ず知らずの人と肩を触れながら食べる焼き鳥が涙のせいか少ししょっぱかったです。カウンター席のおかげでお店の人もお客さんも話し相手になってくれてすごく楽しく過ごせました。おかみさん、次来た時も絶対に覚えてるからと送り出してくれたのであと20年くらいしたら再訪してみるかな。どちらかすでにあっちの世界へ行ってるかな。そんなこんなで最大の目的地へたどり着いた二日目は暮れていったのでした。

最終日の三日目は9月上旬だというのに冷え込んだ早朝、美瑛の町を走りました。東京ではまだ30℃も記録する時期なのにこちらは13℃。北海道の冬はどうなるんだろう。まさに「北の国から」のような厳冬なのでしょう。お気楽サイクリストでよかった。


朝食を食べ終え、いよいよ旭川空港へ向かいます。とは言っても時間はたっぷりあるので自転車で空港へ向かいがてらGPSを頼りに町の裏を周って行くことにします。時間制限があるので迷ってしまったらと思うとこわいですがこれも旅の醍醐味と言う事で回り道を楽しんできました。観光地ではないけれど楽しくて「時間はまだある、もっと行こう」、「迷わなければ大丈夫、もうちょっと」とどんどん奥まで入り込んでしまいましたが道に迷う事もなく旭川空港へ向かう事にしました。こちらではすでに稲刈りが始まっています。この時はまだ余裕がありましたが旭川空港、高台にある事を忘れてました。三日間たっぷり山坂道を走って荷物と思い出で重くなったリュックを背負っての最後の上りです。時間制限もあり気持ちばかり焦って思うように進みません。30分程上り続けたでしょうか。時間に余裕もなく空港にたどり着きました。慌てて自転車を輪行袋へ詰めて食事をとる間もなく機上の人となったのでした。

北海道と言えども夏の終わりの時期なので二泊三日の旅には35Lのリュックサックで充分でした。ただ防寒の為ヤッケを一枚用意しました。二日目の下り坂では体感12~13度、三日目の早朝も道路に表示されていた気温が13度とかなり寒い場面もあったので風を通さないヤッケは重宝しました。美瑛、富良野の道は車の通りが少なく道幅も広いのでとても快適にサイクリングができました。旭川市内の国道237号線はトラックも多く多少道も狭かったので少し注意が必要です。坂道が多いものの全体的に牧歌的な景色の中とても開放的なサイクリングが楽しめました。

■東京サイクリングツアー&レンタサイクルで平日3日間レンタルした場合
 バイク  :6400円
 ヘルメット: 500円
 グローブ : 300円
 輪行袋  :1000円
 リュック : 500円
 思い出  :Priceless
————————————-
 合計   :8700円(税込)